どうして母親の血液でDNA親子鑑定ができるの?
2015.11.27
妊娠期間中の母親の血液に、胎児のDNAが蓄積するからです 胎盤を介した血液の繋がり 母親の羊水/絨毛膜を用いた胎児のDNA鑑定は20年前から行われておりますが、妊娠8週目のお母様の血液でも胎児のDNA鑑定ができる、ということに不審感を持つ方が多くいらっしゃいます。今回は、母親の血液を用いた胎児の出生前DNA鑑定の、理論的背景について説明いたします。お腹の赤ちゃんと母親は、胎盤を介して繋がっており、母親からの栄養分や酸素などが赤ちゃんに届くということは、もはや常識となっております。 約15年ほど前に、妊娠後期の母親の血液から胎児のDNAが発見されて以来、そのDNAを用いた遺伝子検査で、胎児の遺伝病や先天性疾患の確認が行われるようになりました。母親の血液を用いた出生前DNA鑑定が行われるようになったのは10年ほど前からで、精度が低いのにも関わらず、費用は非常に高額でした。高精度の出生前DNA鑑定サービスが行われるようになったのは2013年頃です。 妊娠8週目以降から鑑定を行う理由 妊娠期間中の母親の血液から得られる胎児のDNAは、7~8週目くらいから確認することができ、妊娠期間が長くなると共にその量が上昇していきます。 人によっては、妊娠7週目からであっても十分鑑定が行える量の胎児のDNAが採取できるという報告もありますが、その一方で妊娠14週目でも難しいというケースもあり、個人差が大きいものではあります。 海外では、妊娠24週目以降でも検査ができなかった、という報告もありました。約10mlの採血だけでも、妊娠中の母親からすると大変です。そのため弊社では、安定した解析が可能になる妊娠8週目以降の採血をお勧めしております。万が一、お母様の血液から十分な胎児のDNAが得られず再検査が必要な場合、弊社では無料再検査をお客様にお受けいただいておりますが、幸いなことに再検査でも結果が得られなかった、ということは一度もございません。 大切な赤ちゃんに安全なDNA親子鑑定を 従来の羊水などを用いたDNA鑑定は、胎児に障害を与えたり、流産の原因になる危険性があります。 DNA親子鑑定を目的として、羊水などを採取してくれる病院はほとんどありません。 鑑定費用を比較すると、羊水での鑑定の方が、血液を用いた出生前DNA鑑定より安いものの、鑑定料金の他に、病院での羊水/絨毛膜の採取に10万円ほど必要ですので、費用面でもメリットはありません。 近年行なわれる出生前DNA鑑定の99.5%以上は血液を用いた検査です。赤ちゃんが生まれてからのDNA親子鑑定ならば手頃な費用で最も正確な結果が得られますが、どうしても妊娠期間中に父親の確認が必要な場合は、血液によるDNA鑑定をお勧めいたします。